都市力と風土力

建築からの文化論を主に、時事評論を加える。

三つの世界

最近、人間には三つの世界があると考えるようになった。 一つ目は、この現実世界。 二つ目は、小説、演劇など、フィクションの世界。 三つ目は、哲学、思想、宗教、祈りなどの精神的な世界。 一つ目は別として、二つ目は、映画、テレビ、ゲーム、ネットなど…

「プライムニュース」で「昭和の骨」

「プライムニュース」というBSの番組に、石井一、堺屋太一、中西輝政の三人が出演していた。 最近テレビで顔を見なくなったので、もう過去の人かと思ったら大きな間違い。内容については異論もあるが、独特の意見をしっかり主張する。「昭和の骨」を感じた。…

日米同盟の文化論

日本とアメリカの同盟について、文化論的に書いた。 これまでの研究を元に、建築と、文化と、日米関係を足早に辿ったので、論文調になったが、面白い論考だと思う。 https://thepage.jp/detail/20171114-00000004-wordleaf

日馬富士と「人間の霹靂」

青天の霹靂であった。 体が小さいのを、気力と稽古でカバーし、普段は人格的にも申し分なく、プロはだしの絵を描いて売り上げを病気の子供にと、人間の鏡のようだった横綱の暴行事件である。 それが相撲協会のゴタゴタに絡んできそうだ。 誰もが「酒は怖い」…

「陸王」と日本の「ものづくり魂」

テレビドラマ「陸王」が面白い。 銀行員だった池井戸潤の原作ドラマは、「半沢直樹」など、リアリティとドラマ性が合体しているが、特に日本社会の「ものづくり職人」に焦点を当てている。 彼が銀行員だった時代に、魂を持った「ものづくり職人」を十分に援…

たくさんのシン・ゴジラ

テレビで「シン・ゴジラ」の放送があった。 映画館で観たときほどではないが、なかなか迫力があり、反響も大きかったようだ。この映画のポイントは、単なる怪獣ハザードではなく、非常時における日本政治の決断できない状況とアメリカの関与が鋭く描かれてい…

トランプと東アジアの「親密・微妙・対等」

トランプ米大統領に対する、日本、韓国、中国の対応ぶりはそれぞれであった。 安倍首相は、他国にはない親密ぶりを示し、日米同盟が堅固であることをアピールした。 文在寅大統領は、北に対する対話の立場と反日の姿勢を示し、微妙なスタンスを取った。 習近…

「ショーシャンクの空に」とトランプの「壁」

昨晩テレビで「ショーシャンクの空に」を観た。 何度見てもいい映画だ。 ストーリーはよくある脱獄劇だが、副主人公モーガン・フリーマンのナレーションがいい。言葉が哲学的でかつ詩的なのだ。 印象的なシーンは、年老いた受刑者が50年ぶりに釈放されて街で…

トランプとマッカーサー・その2

トランプとマッカーサーというタイトルで、GHQの本拠地であった第一生命ビルについての「THE・PAGE」の記事を紹介したが、この二人をもう少し比較したい。対象点と共通点があるからだ。 マッカーサーは、第二次世界大戦の英雄である。 トランプは、不動産王…

日本は武士の国か

トランプ大統領は「日本は武士の国」という発言を何度かしたようだ。 これに対して、あるテレビ局の人が「ほとんどは農民だったのだから、日本は武士の国じゃない」と批判した。 日本の武士は、単なる軍人ではない。上は貴族に近く、下は農民に近い、日本独…

トランプとマッカーサー

thepage.jp 本日、街を歩いたら、どこにでも警察官が立っていた。ものものしい警備である。 ちょうどトランプ大統領来日の折、「THE・PAGE」に、マッカーサーの本拠地となった建築について書いた。アメリカの力、特に軍事的な放射力は、未だに日本を縛り付け…

イバンカ氏は政治家かお嬢さんか

イバンカ氏の来日は、どういうニュースなのだろうか。 ふと、そう思った。 政治家の来日なのか、お嬢さんの来日なのか。 補佐官だから政治家なのだろうが、まったくそういう感じではないような気もする。珍しい現象だ。 前に、オバマ大統領の国務長官になっ…

電気自動車ブームと異常気象

電気自動車ブームである。 ヨーロッパではディーゼルが省エネとされていたが、フォルクスワーゲンのデータ改ざんなどから、電気自動車への機運が高まり、アメリカやアジアへも波及しつつある。日本でも大きな話題になっている。 もちろん、ガソリン車と違っ…

内部に向かうテロ

ニュヨークでは、またしてもテロ。 座間では、生臭い殺人事件。 テロリズムには、集団の外部に向かうものと、内部に向かうものとがある。 日本社会は、内部に向かうテロに対処しなければならない。 外部に向かう国から大統領がやって来て、座間に近い横田基…

ちきりんに弟子入り

選挙結果の「個室の大衆」論に対して、ラジオ出演の依頼があった。 相手はちきりん。 はて、キッチンか、シチリンか。ちょうど娘がいたので聞いてみた。 「ひょっとして、ちきりんじゃない」 「ああ、そうそう」 「有名なカリスマブロガーだよ。ちきりんに会…

安倍解散・小池劇場・枝野旋風 「ネット社会・個室の大衆・集団志向」 

https://thepage.jp/detail/20171023-00000013-wordleaf 安倍解散・小池劇場・枝野旋風 この選挙結果について「ネット社会」「個室の大衆」「集団志向」の観点から書きました。

「個室の大衆」

ネット時代の政治に関して「THE・PAGE」に書いた記事の「個室の大衆」という言葉は、評判がいいようだ。 テレビ時代の民意の参加者は「茶の間の大衆」であり、出演者に引っ張られる受動的な存在で、その出演者は放送の公共性から、進歩、国際、公平、人権と…

ネット社会の政治と「個室の大衆」

thepage.jp 現在の選挙情勢と昨今の国際政治を、ネット社会の政治的特質「個室の大衆」という概念で説明した。

チャップリンと漱石

子供のころ、親に連れられてチャップリンの映画を観た。 なぜかそれほど楽しめなかったことを覚えている。 大人になって、その良さがしみじみと分かる。 漱石の作品では『坊っちゃん』と『吾輩は猫である』がそうだった。 文科省は、そのタイトルと仕立てか…

寅さんとひよっことチャップリン

長い間やってきたが 教育の要諦は「人生を楽しめ」ということに尽きるような気がする。 なぜなら どうせ哀しいことに多く出会うのだから。 その意味で、フーテンの寅さんは教育的だ。 そういえば朝ドラの「ひよっこ」も、寅さんに似て、いい人ばかりが登場す…

地球に刻印した男・安藤忠雄について

thepage.jp 現在、六本木の新国立美術館で安藤忠雄展が開かれている。 充実した盛況ぶりである。 屋外に置かれた光の教会は、実際にコンクリートが打たれ、限りなく本物に近い。 たくさんの模型展示を見終わって感じたのは、彼のコンクリート壁は大地と一体…

ロングスパン民主主義の勧め

ドイツの下院選挙で与党が勝利し、メルケル首相の4選がほぼ確実なった。16年にわたる長期政権となる。 揺れ動く国際政治の場における彼女の存在感は、いよいよ大きく安定的なものになるに違いない。 安倍首相も、ある程度長期にわたることが、揺れ動く東ア…

「ひよっこ」のタイトルバック

NHKの朝のドラマ「ひよっこ」は登場人物がすべて「いい人」だ。 ニュースには「悪い人」ばかり登場するから、バランスが取れている。 サザンの桑田のテーマソングもいいが、そのバックの映像が魅力的だ。 台所に転がっているようなビンやカンで建物をつくっ…

帝室博物館から天皇と日本文化の本質

thepage.jp ロンドンの大英博物館、パリのルーブル美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館などを訪れると、古代エジプト、メソポタミア、ギリシャ、ローマ、中世イスラム世界などから蒐集した膨大なコレクションに圧倒される思いがする。しかし考えてみ…

電車内劇場その2

東京の地下鉄、前の席に座った少女が二人、話に夢中になっていた。小学校に入ったばかりぐらいの年齢だ。 「あ、しまった降り忘れた」 と一人が叫んだ。 彼女は次の駅で降りた。僕も同じ駅で降りた。乗り換え客の多い複雑な駅で、僕は戻りのホームまで連れて…

想像力は旅をする

「想像力より高く飛ぶ鳥はいない」と寺山修司はいった 想像力より遠くへ行く旅人はいない、と思う かつては旅が想像力の契機となったが これからは想像力そのものが旅をする できるだけ遠くへ行こう

つつがなきを

涼しい風が吹きはじめ セミも静かに虫たちに代わり 夏の終わりは何となく物哀しい 戦争を回避するのがやっとのこと 安全安心など夢のまた夢 宮様婚約 秋の列島につつがなきを祈る

東京文化会館

東京文化会館の建築論です。戦前から戦後への様式転換、ホール建築の特質について書きました。

神と薬物と洗脳

「神の左」をもつ、バンタム級王者山中慎介選手のボクシング技術は、かなりレベルの高いものだという。 しかし常軌を逸したような若者のラッシュには「神」も不発であった、と思ったが、その常軌を逸した力の源泉は、薬物のせいだという。 「薬物」は「神」…

電車内劇場

電車の中にさまざまなドラマが生まれる。 山手線、恵比寿駅から品川方面に向かう列車に乗り込んだ。ラッシュアワーの過ぎた朝はさほど混んでいるわけではない。僕は入り口近くのつり革をつかんで立った。 ドアの脇に、赤ん坊を抱えた母親が立っていた。「お…