都市力と風土力

建築からの文化論を主に、時事評論を加える。

「無意志」という概念

人間は自分の意志によって行動する。 一般にそう思われている。 しかし僕は、無意志というものによって行動することがあるように思う。 人間には、意識と無意識があるように、意志と無意志があるのではないか。 カール・ユングは無意識(アンコンシャス)に…

電車から降りてまたすぐ乗る人

ものを書いているせいか、街を歩いているとき、電車に乗っているときに考え事をする癖がある。 電車の中で考えはじめると、決まって次の駅で降りてしまう。 ホームに降りて「あ、まだだ」と気づいて、またすぐ電車に乗る。 混んでいるときの入り口近くならと…

国家の賢さと愚かさ

アメリカは圧倒的な軍事大国であり、グローバル資本主義の象徴でもある。 これに挑戦しようとするイスラム原理主義者も、北朝鮮の独裁者も、現代日本人には常軌を逸しているとしか見えない。 しかしかつて、合理的な戦略もなく戦って、300万人もの犠牲者…

「戦後」も年をとる

8月15日も年をとると書いたが、「戦後」も年をとるような気がする。 少し年上の友人だが、彼はとても頑張って生きてきた。 食うものにも困る状況に生まれ、焼跡をうろつきながら、たくましく生き延びた。 漫画も読んだが勉強もした。 学生時代は運動部で汗を…

賢さと愚かさ

男には男の賢さと愚かさがある。 女には女の賢さと愚かさがある。 少年には少年の賢さと愚かさがある。 老人には老人の賢さと愚かさがある。 上司には上司の賢さと愚かさがある。 部下には部下の賢さと愚かさがある。 難しいのは 自分の賢さと愚かさを認識す…

なぜ日本は焼き尽くされたのか

「なぜ日本は焼き尽くされたのか」という番組を観た。 怒りがこみ上げてきた。 あれは戦争じゃない。虐殺だ。 その基本的な作戦は、将軍達の空軍独立への野望によって立てられたという。原爆を落としたのは、焼夷弾だと人肉の焼ける匂いにパイロットが苦しむ…

8月15日は年をとる

当然のことだが、今年も8月15日がやってきた。 当然のことだが、僕は一つ年をとる。 8月15日も年をとるような気がする。 少し年上の友人だが、なかなかいいやつだ。 いつも哀しみと憂いを胸に、それでも希望を捨てないやつだ。 しかし最近、だいぶ元気が無く…

愛あればこそ

知床を旅して、海の向こうに国後島(クナシリ)を見たとき、北方領土返還を叫びたい気がした。 人間には、大地(領土)に対する愛がある。 国を愛し、大地(風土)を愛し、人(同朋)を愛するのは当然のことだ。 愛あればこそ戦いは生まれる。その葛藤の中で…

交戦しないということ

子供のころ、憲法9条のことを知って「他国に侵略されたらどうするのか」という疑問をもった。大人たちは「今はそんな悪い国はないのだ」と答えた。僕は迂闊にもそれを信用した。 その後、憲法を支持する有識者たちも、テレビの討論などで同様の答えをしてい…

国立西洋美術館とル・コルビュジエについて書いた

thepage.jp

セミが張り切る盆

今日はセミがやけに張り切っている。 芭蕉じゃないが、そう思った。 実は周りが静かだったのだ。 東京の車の多くが帰省した。 盆と正月、東京には年に二回の静けさがある。

「支持率政治」の是非

内閣改造によって安倍内閣の支持率が上がったようだ。首相の低姿勢と反省の弁も好印象かもしれない。 支持率の調査が、これだけ頻繁に行われ、また敏感に数字に反映するとなると、支持率が政治を動かすことになる。今回の反省と改造はまさにそのケースで、つ…

河野太郎外務大臣

内閣改造の目玉として、テレビは野田聖子にスポットを当てているが、注目されるのは河野太郎の外相起用である。 太郎の祖父河野一郎はソビエトとの関係を重視し、父親河野洋平は中国、韓国との関係を重視した。つまり首相は、野田聖子については人間的な懐の…

記憶と名前

NHKの朝のドラマ「ひよっこ」で、沢村一樹が記憶喪失の父親を演じている。 子供のころ、記憶を喪失することは怖いなと思ったのだが、不思議だったのは、映画やドラマに登場する主人公が、自分の名前や家族や職業は覚えていないのに、話はできるのだ。つまり…

工業は美であった

headlines.yahoo.co.jp パレスサイドビルについて書きました。 工業化技術が輝いていた時代。

安倍政権とチルドレンと国益

豊田、稲田、今井、「安倍チルドレン」と呼ばれる女性政治家の問題が続き、国会も、マスコミも、本人までが、子供の不始末は親の責任だといっている。 森友、加計の問題と合わせ、お友達と子供達が政権という「家」を崩壊させかねないのだ。 何人か外国人の…

生命回帰の建築ー伊東豊雄

青山通りから、明治神宮に向かって、表参道を歩く。 欅並木の葉を揺らす夏の風が心地よく、歩道が広いので自動車の騒音や排気ガスを感じさせない。 浅草の仲見世が下町の参道なら、こちらは山の手の参道。東京が誇る新旧二つの参道として対照的だ。仲見世が…

藤井聡太の格闘技

https://thepage.jp/detail/20170703-00000005-wordleaf 天才少年が、「ひふみん」というタレントを生んだところが面白い。 これを機会に、格闘技としての将棋の文化論を書きました。チェスや囲碁についても書いてます。

安倍政権の代理戦争・その2

都議選である。 豊洲が争点かと思われたが、森友加計問題、閣僚、議員の不祥事など、安倍政権の審判のようになってきた。 さながら代理戦争。今までの地方議会の選挙からは考えられないようなヒートアップだ。 マスコミが、親安倍派、反安倍派と二分されてい…

安倍政権の振り子

「THE・PAGE」に「安倍政権のやまとごころ」という記事を書いた。 一種の政治文化論である。 書いているときは、かなり批判色が濃いと感じていた。しかし金曜日の夕方にアップされ、次の土、日のテレビ番組は、政権批判一色だった。月曜日の段階では、記事の…

SMAPの文化論

SMAPの活動から、日本文化の30年を考察しました。 https://thepage.jp/detail/20170622-00000017-wordleaf 前提となる理論は下記 「少し前、映画監督の篠田正浩氏との共著で『アイドルはどこから』という本を出した。ジャニーズ事務所や、AKBや、全国各地の…

小林麻央・人類史上初めての悲しみ

小林麻央さんが亡くなられた。 多くの日本人がその悲しみを共有した。 有名人の死は多くの共感を呼ぶ。しかし今回は、これまでのそれとはだいぶ趣が違った。病名を公開して以来、彼女の病状とその生活の様子が、インターネット上で、彼女自身とその夫のブロ…

SMAPの時代

美空ひばりにはひばりの時代があった。 焼跡から立ち上がろうとしていた。 慎太郎と裕次郎には、石原兄弟の時代があった。 何かに挑戦しようとしていた。 フォーク・グループにはフォークの時代があった。 成長の矛盾を叫ぼうとしていた。 SMAPにはSMAPの時…

警察の執念と監視社会

昭和45年における渋谷暴動事件の容疑者が逮捕された。 警察の執念を感じる。 デモはマス(人間集団)とマスの激突であり、混乱の極致である。その中から容疑者を特定し、46年間にわたって追い続けるのは並大抵のことではない。大学にまで行かせてもらってい…

民主主義は残酷

築地市場における小池知事の説明に対して、業者の方から「行くか行かないかを自分たちに決めさせるのは酷だ。知事が決めてくれれば、自分たちは従うほかないのだ」という意見が出た。 そのとおりだと思った。 前に、沖縄の普天間移転に関して、農家のおばち…

チェスと囲碁と碁会所と民族

バークレイの東ヨーロッパから来た研究者たちは、チェスのクラブをつくっていた。 僕も仲間に入れてもらったが、若いころ将棋をやっていたので、すぐ強くなった。しかしこのころは囲碁が主な趣味で、いつも本を読んだり、ネットで対戦したりしていたので、彼…

アメリカの知的ふところ

カリフォルニア大学バークレイ校の客員研究員だった頃、インタナショナルハウス(ロックフェラーが創設した留学生用ドミトリー ニューヨークにもある 通称アイハウス)に入っていた。食事もついているから一人暮らしにはとても便利だ。 ちょうどベルリンの壁…

周縁の文化・日本建築の良さを教えたチェコ人

コンドルは日本人に洋風建築を教えたが、その後、帝国ホテルを設計するライトの助手として来日し、そのまま日本に住んで、モダニズムと和風の融合を教えたのがアントニン・レーモンドだ。 チェコ出身、ボヘミアンだ。この言葉はヨーロッパの長い歴史の中で、…

安倍政権の文化的矛盾

森友、加計問題から浮かび上がる安倍政権の問題点を文化論として書きました。そこには、明治維新、太平洋戦争、冷戦構造をつうじた日本政治の矛盾が浮かび上がってきます。

安倍首相の代理戦争

前川前文科省事務次官の会見と、それにまつわる官僚、元官僚の話を聞いていると、官僚組織の内部に、安倍派と反安倍派がいて、激しい葛藤を演じていることが感じられる。 これはマスコミにもあるようで、単に朝日VS読売といったことでなく、それぞれの記者に…