都市力と風土力

建築からの文化論を主に、時事評論を加える。

昭和一桁のあとのテレビ

大橋巨泉永六輔がみまかった。

昭和一桁生まれ、野坂昭如に言わせれば「戦後焼跡闇市派」だ。

戦時中は皇国少年であり、戦後は一転してその価値観を否定されたことから、無頼な創造者となった。戦後テレビ文化を創り上げたのは彼らであり、僕たちの世代は大いに影響を受けた。

しかしいつのころからか、彼らは、自ら築き上げたテレビの世界から身を引くようになった。紛争の時代にテレビを避けていた僕らの世代が、さほど抵抗を示さなくなったのとは逆に。そして「ラジオがいい」と言い出した。

バブルの頃だろうか。

そして彼らが退くとともに、テレビから「知性と創造と反骨」が消えたような気がする。

昭和一桁のあとにテレビを担ったのは、タモリとたけし、だろう。お笑いから始まったが、独特の知性と才能があり、しかも大衆性を失わず、魂も売らない。

そのあとを担ったのはSMAPかもしれない。

そして今、昭和一桁が鬼籍に入るとともに、そういった後継者たちにも、大きな転機が来ているような気がする。

時代はインターネットだ。