都市力と風土力

建築からの文化論を主に、時事評論を加える。

アスリートファースト?

僕はスポーツ・ファンだ。

バラエティやらクイズやらはあまり面白くないし、ドラマも嘘っぽい。報道番組さえ信用できないところがある。スポーツには嘘がない。選手たちの努力とファインプレーには文句なく拍手を送りたい。国民の気持ちは、オリンピック・パラリンピックの銀座パレードによく現れている。

しかし現実には、人気種目とそうでない種目、人気選手とそうでない選手に差が出すぎるのではないか。

人気選手のコマーシャルやテレビ出演による収入は相当だろう。よく見ると、バラエティやクイズ番組にも、スポーツ選手(元)が出ている。つまりタレント化しアイドル化しているのだ。

スポーツを巡る報道や商品や広告の経済に占める割合は大きい。スポーツ資本主義とも言える状況だ。一方、地道なものづくり現場の苦労は報われない。子供たちがアイドルや人気選手になることばかりを夢見て、日本経済を下支えする人間が先細りするような気もする。

そして昨今のオリンピック施設建設を巡る騒動に、キャスターやコメンテイターらは「アスリートファースト(選手第一)」と、どこかで聞いたふうなことを言う。

オリンピックは「国民が第一」あるいは「世界の友好が第一」ではないのか。