WBCすなわち野球の世界戦に出てくる強国は、アメリカ、日本、台湾、韓国、キューバ、プエルトリコなど、思想的政治的にはどうあれ、アメリカ文化が浸透している国だ。
サッカーが強いのは、ヨーロッパと南米、特にスペイン語文化圏だ。
ラグビーが強いのは、発祥の地であるイギリス各州と、南半球の元英国植民地である。
つまりスポーツに、文化圏としての帝国主義が生き残っているのである。
日本発の柔道は国際化したが、盛んなのは、フランスやロシアや中央アジアなど。相撲も国際化しつつあり、モンゴルが圧倒的だが、東ヨーロッパも参加しつつある。これらは、上記の海洋帝国主義圏から離れた国である。
僕は帝国主義者ではないが、自国発のスポーツが世界に広がることを嬉しく思っている。日本人力士を応援するあまり、モンゴル人力士を敵役にしたり、柔道でメダルを独占するべきというような発言は慎むべきではないか。
文化の拡大には、それなりの寛容が必要だ。これは長期的な国家戦略としても、案外重要なことかもしれない。