都市力と風土力

建築からの文化論を主に、時事評論を加える。

生命回帰の建築ー伊東豊雄

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青山通りから、明治神宮に向かって、表参道を歩く。

欅並木の葉を揺らす夏の風が心地よく、歩道が広いので自動車の騒音や排気ガスを感じさせない。

浅草の仲見世が下町の参道なら、こちらは山の手の参道。東京が誇る新旧二つの参道として対照的だ。仲見世が、江戸時代の長屋のように一つの建築に土産物屋が並び入っているのに対して、表参道は、世界のファッション・ブランドがそれぞれ個性のある現代建築家に設計を依頼した店舗が建ち並んでいる。

丹下健三黒川紀章安藤忠雄伊東豊雄妹島和世隈研吾、その他外国人も含めて、世界的な建築家の作品が目白押し。こんな通りは世界にも稀である。ショッピング・ストリートとして、シャンゼリゼー(パリ)や五番街(ニューヨーク)に匹敵するのは長いあいだ銀座であったが、今では表参道というべきだろう。知名度ではまだ一歩譲るものの、建築と並木と心地よさに関しては、すでに表参道が、シャンゼリゼーも五番街も凌駕している。

「THE・PAGE」の連載、今回は伊東豊雄さんのトッズを取り上げました。

https://thepage.jp/detail/20170710-00000006-wordleaf