都市力と風土力

建築からの文化論を主に、時事評論を加える。

トランプと東アジアの「親密・微妙・対等」

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トランプ米大統領に対する、日本、韓国、中国の対応ぶりはそれぞれであった。

安倍首相は、他国にはない親密ぶりを示し、日米同盟が堅固であることをアピールした。

文在寅大統領は、北に対する対話の立場と反日の姿勢を示し、微妙なスタンスを取った。

習近平首席は、かつての皇帝の居城に案内し、二大国のリーダーとして対等のイメージを発信した。

「親密・微妙・対等」

それぞれの対応は、北朝鮮、ロシアも含めた六カ国における、東アジアの情勢が複雑な状況に置かれていることを示している。

冷戦時代のような単純なブロック対立の関係ではなく、それぞれの立場における「多角的複合」の関係である。

日本は、この複雑微妙な「多角的複合」にうまく対処できるであろうか。

保守か革新か、右か左か、上からか下からか、といった単純な構図の政治感覚では対応できないと思われる。戦国時代の群雄割拠と明治維新の思想転換を生き抜いたような、柔軟強靭な政治感覚を陶冶する必要がある。