アウシュビッツの収容所体験を描いたフランクルの『夜と霧』には、人間はどんな状況においても、希望、道徳、尊厳といったものを完全に失うわけではない、ということが書かれているように思う。
わずかでも希望があれば、それに近づくための方法を考える。
つまりどんな状況下でも戦略というものがあるのだろう。
計画といってもいいが、戦略の方がドラマティックだ。
戦術は、局所的な戦いの駆け引きと技術だが、戦略は、大局的な判断で、局所的には負けることも選択肢の一つであり、政治、経済、文化も視野に入れるべきである。
これがなかなか難しい。
一番まずいのは、やみくもに闘うことだ。
次は、戦術的に闘うことだ。
一番いいのは、戦略的に闘うことだ。
しかしもっも難しいのは、希望を失わないことだ。