都市力と風土力

建築からの文化論を主に、時事評論を加える。

平昌オリンピックに見るヨーロッパ的伝統とアメリカ的創造

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ノイシュバンシュタイン城


前に「THE・PAGE」に、スポーツには二種類あると書いた。

単純な個人的能力を競う、陸上や水泳のような競技と、複雑なルールをもつ、サッカー、ラグビー、野球、バスケットボールといった球技であり、前者は昔からどこにでもあり、後者は近代になって「英米帝国」が広げた、つまり帝国主義の産物だと書いた。

平昌で演じられている冬季オリンピック競技でも、似たようなことがいえそうだ。

アルペン競技は圧倒的にヨーロッパアルプスに接する国々が強く、距離やジャンプなどノルディック競技は北欧である。スケートは平地の多い北国、つまり氷の多い、ロシア、カナダ、オランダなど、これは風土であり、伝統である。

しかしスキーのモーグルスノーボードなどは、僕らが若いときにはなかった新しい種目であり、アメリカ、カナダ、日本が強い。

この三国に共通するのは、ヨーロッパ以外の、雪のある先進国ということで、特にアメリカ文化に染まっている国だ。ジャズやポップスやジーパンやコカコーラやハンバーガーと関係が深そうな種目である。

日本は伝統的な種目にもヨーロッパに次いで強いので、そういう意味でも、伝統と創造の間にある国といえそうだ。