テレビでカールビンソンという空母の概要が紹介されるのを見て思った。
基地の街がそのまま移動してくるようなものだ。
戦力としての都市力である。
これに同じ都市力で対抗しようとする試みはすべて失敗した。ドイツ、日本、ソビエト。
これを手こずらせたのは、キューバ、ベトナム、イラクなど、戦力としての風土力だ。
北朝鮮は、今、前者に頼ろうとしてる。怖いのは、後者の戦力と化した時かもしれない。
映画「ラ・ラ・ランド」を観た。
少し哀しく大いに楽しい、いい映画だった。
昔あったアメリカン・ミュージカルの夢が蘇った。フレッド・アステアとジンジャー・ロジャース、ジョージ・チャキリスとリタ・モレノ、そしてジュリー・アンドリュース。
主題歌の「シティ・オブ・スターズ」が耳に残る。しかしハリウッドという街は好きじゃない。人間の匂いがしない。あれはバーチャルな都市だ。
主演のエマ・ストーンがチャーミングだ。現代アメリカの夢を象徴している。
トランプのアメリカもあれば、エマのアメリカもあるのだ。
若者たちに言いたい。大いに夢を見ろ。そして大いに挫折しろ。
転んだら立ち上がるだけのことだ。
稀勢の里が感動の優勝を果たした。日本中が感動した。僕も感動した。
しかしふと、モンゴル出身の力士が敵役になっていることに気がついた。
あれだけ日本を愛し、ついに帰化して日本人となったドナルド・キーン氏が、リオ・オリンピックの報道を観ていて「ファシズムを感じた」と発言したことを想い起こす。
場所中は気が張っているから痛みを感じないが、場所が終わったとたんに動けなくなるという。本人が出ると言っても周りが止めなければいけない。もしそこに大和魂がはたらいたとすれば、そして日本社会と相撲界がそういう雰囲気をつくっているとすれば、「戦力の不足を大和魂でおぎなえ」と言った大本営と同じであろう。
真の大和魂は、異文化に対する寛容と合理的な判断であるべきだ。
目上の人に「変人ですね」と言って、えらく怒られたことがある。
僕は、褒めたつもりだったが、そうは受け取られなかったようだ。考えてみれば「変人」を尊称と考える方が変人かもしれない。僕は昔から変人に憧れているのだが、なかなかなりきれない自分をダメだなと思っている。
たしかに、周りに迷惑をかける変人は困りものだ。つまり迷惑をかけない変人が「大変人」あり、これが難しいのだ。
そういえば、前に変人と呼ばれた宰相がいた。それなりの業績を残した。
今の宰相は変人とは見えない。しかしその取り巻きには、かなり迷惑をかける変人がいるようだ。本日、証人喚問。