都市力と風土力

建築からの文化論を主に、時事評論を加える。

2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

トランプ現象はポピュリズムか

欧米でも日本でも、既成のマスメディアは、トランプ氏の勝利と、ヨーロッパの右翼政党の伸長を「ポピュリズム」と位置づけているようだ。 しかし現代のマスコミが、民主主義社会の選挙結果に対してこの言葉を使うことには違和感がある。どうもそのまま素直に…

体育会系の政治家

トランプやプーチンやドゥテルテといった指導者の傾向を、右派、ポピュリズムといった一言で表現するのを避け、とりあえず価値判断を控えて、これを政治的性格のB面とした。 今、ひとつ僕の頭の中にあるのは「体育会系」という言葉である。 高度成長のあと、…

演歌の風土力

よく巷で歌われる「演歌」というものの歌詞を分析したことがある。 そこに登場する地域と都市には、はっきりした偏りがあるのだ。「北」をタイトルとする歌は多く、「南」の歌はほとんど見当たらない。「北へ行く」あるいは「北から来る」という設定で、その…

本と旅

本を読むのは良いことだ。 旅に出るのも良いことだ。 本は内的な旅であり、旅は外的な読書である。 しかしよく考えてみると、こうも言える。 本は、他の人の心に触れるつまり外的な心の旅であり、旅は、自分を発見するつまり内的な心の読書である。

少年の孤独と老人の孤独

少年は孤独だ。 老人も孤独だ。 少年の孤独は老人の孤独より苦しい。 老人の孤独は少年の孤独より哀しい。 少年の孤独には希望があるから。 老人の孤独には記憶があるから。

もっとシンプルに

年金制度が変わるそうだ。健康保険も変わるそうだ。 自分にも関わることだが、理解するのが面倒である。 さまざまな減免制度があるので、税務署は還付手続きが大変だそうだ。一度集めたお金をまた返すのに相当のコスト(公務員の人件費)がかかっている。財…

トランプとメルケル

ドイツのメルケル首相は、トランプ次期大統領の当選を受けて「民主主義、自由、そして出自、肌の色、宗教、性別、性的指向、政治的立場に左右されず、個々人の権威と尊厳に敬意を払うという諸価値の基礎の上で、協力したい」と述べたという。 他国の首脳が、…

トランプとクリント・イーストウッド

米大統領選の終盤、俳優のメリル・ストリーブが、クリント・イーストウッドがトランプ氏を支持していることに対して「私が(支持を取り下げるよう)説得する」と発言したと伝えられた。 面白い話だ。 どちらも傑出した映画人である。 メリルは、「クレイマー…

打撃コーチを見抜く神様

王貞治選手の一本足打法を生んだ荒川博コーチが他界した。 懐かしい名前である。単なる打撃コーチとして、これほど有名になった方も珍しいだろう。 川上哲治氏が監督になった時に懇請したという。 一見、読み過ごしてしまうが、川上といえば、僕らが子どもの…

相手国民の心に響く外交

安倍首相が真珠湾を慰霊訪問するという。 この15日に日露首脳会談が予定されているから「返す刀で」という感がある。この行動力は評価したい。 吉田首相のサンフランシスコ平和条約、田中首相の日中平和友好条約、中曽根首相の国鉄民営化、小泉首相の郵政…

ニュースサイト連載

最近、ヤフーが運営するニュースサイト「ザ・ページ」に「都市化の残像」というタイトルで、連載を始めたので、そちらに力を取られ、ブログ更新回数が減っている。 具体的な建築から文化と社会を論じたもので、そちらも是非読んでいただきたい。 「都市力と…

トランプ現象と政治的性格の二面性

日本のマスコミは、アメリカのメディアに追従してクリントン氏勝利を予測し見事に裏切られた。選挙中はトランプ氏の主張がいかに無茶苦茶であるかを報じていたが、選挙後は打って変わって、彼の現実主義を報じている。 僕も彼の勝利には驚いた。しかし勝って…