都市力と風土力

建築からの文化論を主に、時事評論を加える。

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

日本の都市力と風土力

英語の「civilization(シビライゼーション)」は、本来「都市化」を意味する。 これを「文明」と訳したのは、ヨーロッパと日本との、都市の現実が違いすぎたからではないか。大陸では、都市は城壁に囲まれ、石や煉瓦を積み上げた大きな共同体であるが、日本…

平将門と平和復興五輪

ある先輩との酒の上での会話。「猪瀬知事、舛添知事の失脚、新国立競技場の設計やり直し、エンブレムの盗用、与党ではない知事の圧勝、豊洲問題、その他競技場の見直しと・・・直接にも間接にも、このオリンピックには問題がつづきますね」「これだけ続くと…

10月3日

先日、あるドイツ人と話していて、10月3日が、再統一の日としてドイツ最大の記念日となっていることを知った。 アメリカは7月4日、独立記念日である。 フランスは7月14日、革命記念日であり、パリ祭である。 「日本は?」と聞かれ、はて・・・。 2…

ボブ・ディランにノーベル文学賞

「えっ! 文学賞に?・・・ふーん、まあ、なるほどそれもありか」 村上春樹の「風の歌を聴け」にも、ボブ・ディランの「風に吹かれて」の影響はあると思う。どちらも名作だ。 よくデビュー作を超えるのは難しいと言うけど、時代の風が吹いていたのだろう。イ…

アスリートファースト?

僕はスポーツ・ファンだ。 バラエティやらクイズやらはあまり面白くないし、ドラマも嘘っぽい。報道番組さえ信用できないところがある。スポーツには嘘がない。選手たちの努力とファインプレーには文句なく拍手を送りたい。国民の気持ちは、オリンピック・パ…

ノーベル賞と知的崩壊

母校の教授がノーベル賞を受賞、まずはめでたい。 すぐに役立つ研究に資金がまわり、基礎研究がおろそかになって、科学の空洞化が起きているという発言、そのとおりだと思う。 先日、昼食の席上、ある若い科学者と意見が一致した。 「最近の科学研究は、膨大…

地方議会の縮減

ある市役所を設計しているとき、市の担当者から「議会関係のところはどんなに立派につくっても文句が出ませんよ」と言われた。なるほどそのとおりだった。 文化施設の設計で議会説明に同席したこともあり、その後も色々と地方行政に携わってきた。 地方議員…