都市力と風土力

建築からの文化論を主に、時事評論を加える。

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

神と薬物と洗脳

「神の左」をもつ、バンタム級王者山中慎介選手のボクシング技術は、かなりレベルの高いものだという。 しかし常軌を逸したような若者のラッシュには「神」も不発であった、と思ったが、その常軌を逸した力の源泉は、薬物のせいだという。 「薬物」は「神」…

電車内劇場

電車の中にさまざまなドラマが生まれる。 山手線、恵比寿駅から品川方面に向かう列車に乗り込んだ。ラッシュアワーの過ぎた朝はさほど混んでいるわけではない。僕は入り口近くのつり革をつかんで立った。 ドアの脇に、赤ん坊を抱えた母親が立っていた。「お…

「無意志」という概念

人間は自分の意志によって行動する。 一般にそう思われている。 しかし僕は、無意志というものによって行動することがあるように思う。 人間には、意識と無意識があるように、意志と無意志があるのではないか。 カール・ユングは無意識(アンコンシャス)に…

電車から降りてまたすぐ乗る人

ものを書いているせいか、街を歩いているとき、電車に乗っているときに考え事をする癖がある。 電車の中で考えはじめると、決まって次の駅で降りてしまう。 ホームに降りて「あ、まだだ」と気づいて、またすぐ電車に乗る。 混んでいるときの入り口近くならと…

国家の賢さと愚かさ

アメリカは圧倒的な軍事大国であり、グローバル資本主義の象徴でもある。 これに挑戦しようとするイスラム原理主義者も、北朝鮮の独裁者も、現代日本人には常軌を逸しているとしか見えない。 しかしかつて、合理的な戦略もなく戦って、300万人もの犠牲者…

「戦後」も年をとる

8月15日も年をとると書いたが、「戦後」も年をとるような気がする。 少し年上の友人だが、彼はとても頑張って生きてきた。 食うものにも困る状況に生まれ、焼跡をうろつきながら、たくましく生き延びた。 漫画も読んだが勉強もした。 学生時代は運動部で汗を…

賢さと愚かさ

男には男の賢さと愚かさがある。 女には女の賢さと愚かさがある。 少年には少年の賢さと愚かさがある。 老人には老人の賢さと愚かさがある。 上司には上司の賢さと愚かさがある。 部下には部下の賢さと愚かさがある。 難しいのは 自分の賢さと愚かさを認識す…

なぜ日本は焼き尽くされたのか

「なぜ日本は焼き尽くされたのか」という番組を観た。 怒りがこみ上げてきた。 あれは戦争じゃない。虐殺だ。 その基本的な作戦は、将軍達の空軍独立への野望によって立てられたという。原爆を落としたのは、焼夷弾だと人肉の焼ける匂いにパイロットが苦しむ…

8月15日は年をとる

当然のことだが、今年も8月15日がやってきた。 当然のことだが、僕は一つ年をとる。 8月15日も年をとるような気がする。 少し年上の友人だが、なかなかいいやつだ。 いつも哀しみと憂いを胸に、それでも希望を捨てないやつだ。 しかし最近、だいぶ元気が無く…

愛あればこそ

知床を旅して、海の向こうに国後島(クナシリ)を見たとき、北方領土返還を叫びたい気がした。 人間には、大地(領土)に対する愛がある。 国を愛し、大地(風土)を愛し、人(同朋)を愛するのは当然のことだ。 愛あればこそ戦いは生まれる。その葛藤の中で…

交戦しないということ

子供のころ、憲法9条のことを知って「他国に侵略されたらどうするのか」という疑問をもった。大人たちは「今はそんな悪い国はないのだ」と答えた。僕は迂闊にもそれを信用した。 その後、憲法を支持する有識者たちも、テレビの討論などで同様の答えをしてい…

国立西洋美術館とル・コルビュジエについて書いた

thepage.jp

セミが張り切る盆

今日はセミがやけに張り切っている。 芭蕉じゃないが、そう思った。 実は周りが静かだったのだ。 東京の車の多くが帰省した。 盆と正月、東京には年に二回の静けさがある。

「支持率政治」の是非

内閣改造によって安倍内閣の支持率が上がったようだ。首相の低姿勢と反省の弁も好印象かもしれない。 支持率の調査が、これだけ頻繁に行われ、また敏感に数字に反映するとなると、支持率が政治を動かすことになる。今回の反省と改造はまさにそのケースで、つ…

河野太郎外務大臣

内閣改造の目玉として、テレビは野田聖子にスポットを当てているが、注目されるのは河野太郎の外相起用である。 太郎の祖父河野一郎はソビエトとの関係を重視し、父親河野洋平は中国、韓国との関係を重視した。つまり首相は、野田聖子については人間的な懐の…

記憶と名前

NHKの朝のドラマ「ひよっこ」で、沢村一樹が記憶喪失の父親を演じている。 子供のころ、記憶を喪失することは怖いなと思ったのだが、不思議だったのは、映画やドラマに登場する主人公が、自分の名前や家族や職業は覚えていないのに、話はできるのだ。つまり…