都市力と風土力

建築からの文化論を主に、時事評論を加える。

2017-01-01から1年間の記事一覧

富岡八幡宮と日本の政治

富岡八幡宮の事件に絡んで、日本の宗教と政治の文化的な根っこについて書いた。 祟りがないことを祈る。はて、何に祈ろうか。 thepage.jp

希望が見えるまでの戦略

先に「希望と戦略」について書いた。 少しでも希望が見えれば、それなりに戦略を考えることもできる。 だが、まったく見えないときはどうだろうか。 そこで「希望が見えるまでの戦略」を考えた。 1・とにかく耐えるー崩壊を防ぐために努力する 2・ほったら…

貴乃花の反骨

人間は、周囲に順応するばかりでなく、反骨精神も必要だ。 歴史と現実をよく知り、時勢に物申す、たとえば国家が戦争に向かうときの反戦、バブル経済下における不動産投資反対など、「大人の反骨」もあるが、現実と理想の乖離を知らず、世間を知らず、やみく…

希望と戦略

アウシュビッツの収容所体験を描いたフランクルの『夜と霧』には、人間はどんな状況においても、希望、道徳、尊厳といったものを完全に失うわけではない、ということが書かれているように思う。 わずかでも希望があれば、それに近づくための方法を考える。 …

海に投げ出されたら

海に投げ出されたら泳ぎ出さなくてはならない。 そうしないと沈んでしまう。 しかしやみくもに泳ぐのは危険だ。 体力の温存をはかりながら慎重に泳ぐべきだ。 周囲の状況をよく見て、太陽、月、星、島影、船影、浮遊物など。 そしてよく考えて、しかるべき方…

暴力肯定ではないが日馬富士と忠臣蔵

日馬富士と赤穂浪士には似たところがある。 その共通点から、日本社会の「公の論理」と「家の論理」の葛藤を論じた。 https://thepage.jp/detail/20171204-00000003-wordleaf 戦後日本は、絶対平和主義であり、暴力と体罰は絶対否定である。 しかし暴力とは…

努力そのもの

努力すれば必ず報われるとはいわず、努力しても報われないことが多いと教えてきた。 人はみな同じとはいわず、環境も才能も大きく違い、それを乗り越えるのは困難だと教えてきた。 今の日本の常識には合わない教育者だった。 しかしみんなよく耳を傾けてくれ…

小さきもの

家の中に小さきもの二つ 一つは比較的早く成長し、もう一つはゆっくりと成長する ミサイル、温室効果ガス、原子力、情報技術、遺伝子技術など、あらゆる文明の暴虐の中で、ただ生きていこうとする、天が与えた二つの意志

日馬富士と「排除」の力学

単なる暴行から、モンゴル力士会の問題、貴乃花親方の問題と発展した「日馬富士事件」は、日本文化における「排除」の力学を表している。

三つの世界

最近、人間には三つの世界があると考えるようになった。 一つ目は、この現実世界。 二つ目は、小説、演劇など、フィクションの世界。 三つ目は、哲学、思想、宗教、祈りなどの精神的な世界。 一つ目は別として、二つ目は、映画、テレビ、ゲーム、ネットなど…

「プライムニュース」で「昭和の骨」

「プライムニュース」というBSの番組に、石井一、堺屋太一、中西輝政の三人が出演していた。 最近テレビで顔を見なくなったので、もう過去の人かと思ったら大きな間違い。内容については異論もあるが、独特の意見をしっかり主張する。「昭和の骨」を感じた。…

日米同盟の文化論

日本とアメリカの同盟について、文化論的に書いた。 これまでの研究を元に、建築と、文化と、日米関係を足早に辿ったので、論文調になったが、面白い論考だと思う。 https://thepage.jp/detail/20171114-00000004-wordleaf

日馬富士と「人間の霹靂」

青天の霹靂であった。 体が小さいのを、気力と稽古でカバーし、普段は人格的にも申し分なく、プロはだしの絵を描いて売り上げを病気の子供にと、人間の鏡のようだった横綱の暴行事件である。 それが相撲協会のゴタゴタに絡んできそうだ。 誰もが「酒は怖い」…

「陸王」と日本の「ものづくり魂」

テレビドラマ「陸王」が面白い。 銀行員だった池井戸潤の原作ドラマは、「半沢直樹」など、リアリティとドラマ性が合体しているが、特に日本社会の「ものづくり職人」に焦点を当てている。 彼が銀行員だった時代に、魂を持った「ものづくり職人」を十分に援…

たくさんのシン・ゴジラ

テレビで「シン・ゴジラ」の放送があった。 映画館で観たときほどではないが、なかなか迫力があり、反響も大きかったようだ。この映画のポイントは、単なる怪獣ハザードではなく、非常時における日本政治の決断できない状況とアメリカの関与が鋭く描かれてい…

トランプと東アジアの「親密・微妙・対等」

トランプ米大統領に対する、日本、韓国、中国の対応ぶりはそれぞれであった。 安倍首相は、他国にはない親密ぶりを示し、日米同盟が堅固であることをアピールした。 文在寅大統領は、北に対する対話の立場と反日の姿勢を示し、微妙なスタンスを取った。 習近…

「ショーシャンクの空に」とトランプの「壁」

昨晩テレビで「ショーシャンクの空に」を観た。 何度見てもいい映画だ。 ストーリーはよくある脱獄劇だが、副主人公モーガン・フリーマンのナレーションがいい。言葉が哲学的でかつ詩的なのだ。 印象的なシーンは、年老いた受刑者が50年ぶりに釈放されて街で…

トランプとマッカーサー・その2

トランプとマッカーサーというタイトルで、GHQの本拠地であった第一生命ビルについての「THE・PAGE」の記事を紹介したが、この二人をもう少し比較したい。対象点と共通点があるからだ。 マッカーサーは、第二次世界大戦の英雄である。 トランプは、不動産王…

日本は武士の国か

トランプ大統領は「日本は武士の国」という発言を何度かしたようだ。 これに対して、あるテレビ局の人が「ほとんどは農民だったのだから、日本は武士の国じゃない」と批判した。 日本の武士は、単なる軍人ではない。上は貴族に近く、下は農民に近い、日本独…

トランプとマッカーサー

thepage.jp 本日、街を歩いたら、どこにでも警察官が立っていた。ものものしい警備である。 ちょうどトランプ大統領来日の折、「THE・PAGE」に、マッカーサーの本拠地となった建築について書いた。アメリカの力、特に軍事的な放射力は、未だに日本を縛り付け…

イバンカ氏は政治家かお嬢さんか

イバンカ氏の来日は、どういうニュースなのだろうか。 ふと、そう思った。 政治家の来日なのか、お嬢さんの来日なのか。 補佐官だから政治家なのだろうが、まったくそういう感じではないような気もする。珍しい現象だ。 前に、オバマ大統領の国務長官になっ…

電気自動車ブームと異常気象

電気自動車ブームである。 ヨーロッパではディーゼルが省エネとされていたが、フォルクスワーゲンのデータ改ざんなどから、電気自動車への機運が高まり、アメリカやアジアへも波及しつつある。日本でも大きな話題になっている。 もちろん、ガソリン車と違っ…

内部に向かうテロ

ニュヨークでは、またしてもテロ。 座間では、生臭い殺人事件。 テロリズムには、集団の外部に向かうものと、内部に向かうものとがある。 日本社会は、内部に向かうテロに対処しなければならない。 外部に向かう国から大統領がやって来て、座間に近い横田基…

ちきりんに弟子入り

選挙結果の「個室の大衆」論に対して、ラジオ出演の依頼があった。 相手はちきりん。 はて、キッチンか、シチリンか。ちょうど娘がいたので聞いてみた。 「ひょっとして、ちきりんじゃない」 「ああ、そうそう」 「有名なカリスマブロガーだよ。ちきりんに会…

安倍解散・小池劇場・枝野旋風 「ネット社会・個室の大衆・集団志向」 

https://thepage.jp/detail/20171023-00000013-wordleaf 安倍解散・小池劇場・枝野旋風 この選挙結果について「ネット社会」「個室の大衆」「集団志向」の観点から書きました。

「個室の大衆」

ネット時代の政治に関して「THE・PAGE」に書いた記事の「個室の大衆」という言葉は、評判がいいようだ。 テレビ時代の民意の参加者は「茶の間の大衆」であり、出演者に引っ張られる受動的な存在で、その出演者は放送の公共性から、進歩、国際、公平、人権と…

ネット社会の政治と「個室の大衆」

thepage.jp 現在の選挙情勢と昨今の国際政治を、ネット社会の政治的特質「個室の大衆」という概念で説明した。

チャップリンと漱石

子供のころ、親に連れられてチャップリンの映画を観た。 なぜかそれほど楽しめなかったことを覚えている。 大人になって、その良さがしみじみと分かる。 漱石の作品では『坊っちゃん』と『吾輩は猫である』がそうだった。 文科省は、そのタイトルと仕立てか…

寅さんとひよっことチャップリン

長い間やってきたが 教育の要諦は「人生を楽しめ」ということに尽きるような気がする。 なぜなら どうせ哀しいことに多く出会うのだから。 その意味で、フーテンの寅さんは教育的だ。 そういえば朝ドラの「ひよっこ」も、寅さんに似て、いい人ばかりが登場す…

地球に刻印した男・安藤忠雄について

thepage.jp 現在、六本木の新国立美術館で安藤忠雄展が開かれている。 充実した盛況ぶりである。 屋外に置かれた光の教会は、実際にコンクリートが打たれ、限りなく本物に近い。 たくさんの模型展示を見終わって感じたのは、彼のコンクリート壁は大地と一体…