都市力と風土力

建築からの文化論を主に、時事評論を加える。

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

核兵器の忖度

日本は国連で、核兵器禁止条約に参加しないと表明した。 僕は安全保障に関しては、理想主義ではなく、現実主義であり、それなりの防衛配慮は必要と考える方だが、被爆国としての魂は売り渡して欲しくなかった。 精神的原則の問題と、現実的戦略の問題を分け…

スマホ人間学・その2

ホモ・サピエンスは、ホモ・スマホスに変化しました。 そこで「スマホ人間学会=ホモ・スマホス学会」を設立します。 人類が直面した新しい現象に関する超短い論文をお寄せください。 入会金ゼロ、年会費ゼロ、論文掲載料ゼロ、どこかの学会よりずっとお値打…

スマホ人間学

電車の中、プラットホーム、ほとんどの人がスマホを見ている。 覗き込むと、ゲームとメールがほとんど。漫画を読んでいる人もいる。 ゲームは若者、と思いきや、結構中高年の女性もピコピコ。 ネイルの爪で画面が傷つかないかとも思う。 ホモ・サピエンスは…

ラ・ラ・ランドの夢と挫折

映画「ラ・ラ・ランド」を観た。 少し哀しく大いに楽しい、いい映画だった。 昔あったアメリカン・ミュージカルの夢が蘇った。フレッド・アステアとジンジャー・ロジャース、ジョージ・チャキリスとリタ・モレノ、そしてジュリー・アンドリュース。 主題歌の…

稀勢の里と日本社会ーその2

稀勢の里が感動の優勝を果たした。日本中が感動した。僕も感動した。 しかしふと、モンゴル出身の力士が敵役になっていることに気がついた。 あれだけ日本を愛し、ついに帰化して日本人となったドナルド・キーン氏が、リオ・オリンピックの報道を観ていて「…

変人喚問

目上の人に「変人ですね」と言って、えらく怒られたことがある。 僕は、褒めたつもりだったが、そうは受け取られなかったようだ。考えてみれば「変人」を尊称と考える方が変人かもしれない。僕は昔から変人に憧れているのだが、なかなかなりきれない自分をダ…

技術屋と財政赤字

僕の周りには、無骨な技術屋が多く、みな経済には素人である。そしてこの国の巨額の財政赤字を心配している。 ところが金融や経済や財政の専門家の話を聞くと、どうもあまり心配しているようには思えない。 その意見には三種類ある。一つ目は、日本政府は外…

鎌倉=幕府街

鎌倉を歩いてみると、この街が平城京や平安京のような都ではなく、一つの砦のようなものであったことがよく分かる。 鶴岡八幡宮が位置する山地から、材木座や稲村ヶ崎という海岸に至るまでの、本宮通り、小町通りが、この街の中心軸であるが、それが海に向か…

日本の都市軸

文字のなかった時代、日本の実態は、数々の遺跡と中国の歴史に頼るほかはない。 『魏志倭人伝』に記述される卑弥呼の邪馬台国は、北九州説と大和説で分かれているが、ある時点で、卑弥呼もしくはその後継勢力が、北九州から大和に移ったという説も有力である…