人間は自分の意志によって行動する。
一般にそう思われている。
しかし僕は、無意志というものによって行動することがあるように思う。
人間には、意識と無意識があるように、意志と無意志があるのではないか。
カール・ユングは無意識(アンコンシャス)については研究したが、無意志についてはしなかった。
しかも僕の無意志はなかなか手強いのだ。
何か、バカなこと、無茶なことをやったら、それは僕の意志ではなく、僕の無意志のせいであるから、大目に見ていただきたい。
人間は自分の意志によって行動する。
一般にそう思われている。
しかし僕は、無意志というものによって行動することがあるように思う。
人間には、意識と無意識があるように、意志と無意志があるのではないか。
カール・ユングは無意識(アンコンシャス)については研究したが、無意志についてはしなかった。
しかも僕の無意志はなかなか手強いのだ。
何か、バカなこと、無茶なことをやったら、それは僕の意志ではなく、僕の無意志のせいであるから、大目に見ていただきたい。
ものを書いているせいか、街を歩いているとき、電車に乗っているときに考え事をする癖がある。
電車の中で考えはじめると、決まって次の駅で降りてしまう。
ホームに降りて「あ、まだだ」と気づいて、またすぐ電車に乗る。
混んでいるときの入り口近くならともかく、そうでもないときは、とてもバツが悪い。スパイ映画で尾行をまこうとしている人のようだ。
東京の地下鉄でそういう人を見かけたら、それが私です。
8月15日も年をとると書いたが、「戦後」も年をとるような気がする。
少し年上の友人だが、彼はとても頑張って生きてきた。
食うものにも困る状況に生まれ、焼跡をうろつきながら、たくましく生き延びた。
漫画も読んだが勉強もした。
学生時代は運動部で汗を流し、熱病のような政治闘争で暴れた。
社会に出てからは猛烈に働いた。
公害問題や燃料切れと戦いながら、性能のいいものをつくった。
夜は、よく飲み歩き、カラオケで歌った。
金ができて、少し浮かれ、ゴルフ場や不動産に手を出した。
あらゆるものの暴落が起き、会社は倒産寸前に陥り、リストラが始まった。
彼は、職場を変え、さらに働き、生活を切り詰め、なんとか家族を守った。
かつての栄光が戻ることを夢見てきたが、実現することなく、高齢化した。
あてにしていた年金は、生活保護と変わらない額に減少した。
色々あったが、ともかく平和を謳歌した人生だった。
しかし最近、その平和さえも怪しくなってきた。
今、「戦後」は頭を抱えている。
男には男の賢さと愚かさがある。
女には女の賢さと愚かさがある。
少年には少年の賢さと愚かさがある。
老人には老人の賢さと愚かさがある。
上司には上司の賢さと愚かさがある。
部下には部下の賢さと愚かさがある。
難しいのは
自分の賢さと愚かさを認識することだ。
当然のことだが、今年も8月15日がやってきた。
当然のことだが、僕は一つ年をとる。
8月15日も年をとるような気がする。
少し年上の友人だが、なかなかいいやつだ。
いつも哀しみと憂いを胸に、それでも希望を捨てないやつだ。
しかし最近、だいぶ元気が無くなってきた。
もう高齢者だから仕方ないか。
頑張れ8月15日!
それにしても、昔から日本は盆に死者を蘇らせたもので、その日を誕生日にするとは、この国の民の先祖代々の霊力というものだろうか。