韓国の大統領スキャンダルに関する報道は、怒号と罵声、なかなかに激しい。
歴代大統領が就任中または辞任後に親族の汚職などで訴追されているので、「やっぱりこの人もか」という感を拭えない。
一方、中国の総書記は「核心」という言葉で独裁体制を固めているようだ。もともと共産党独裁の国であるから、その内部を掌握すれば、人口的には世界最大の権力者である。
中国も、韓国も、このところ科学技術と経済の発達は著しいものがあった。しかし社会の仕組み、その運営の仕方には、あまり変わらないものがある。文明(都市力)は発達するが、文化(風土力)は続いていくということか。
振り返って、これはわが国にも言えることだ。
明治この方、科学技術と経済力は発達したが、日本人のものの考え方は、あまり変わっていないのではないか。
「いや、変わった」と言う人も多いだろう。しかしそれは良い方に変わった、すなわち発達したのかと問われれば、そうではない。むしろ堕落し、軟弱になり、道義心を失ったと答える人が多いのではなかろうか。
文明(都市力)を発達させることが困難なのではなく、文明を発達させながらなお文化(風土力)を健全に保ち伸ばすということが難しいのだ。
今は、先進国と途上国の違いがあるのではなく、成熟国と未成熟国の違いがあるように思う。