天下り先は大学である。
国立大学が法人化されてから、大学に対する文科省の力が驚くほど強くなった。そして教授や学部長や学長までが文科省から送られて来る。予算を獲得するために、大学もそれを受け入れる。
もともと形骸化してはいたが「大学の自治」という言葉は完全に死語となり、経営の独立によって学問の独立が失われた。
マスコミがジャーナリズムの魂を失い、大学が学問の魂を失っている。政治家と官僚の腐敗には慣れているが、社会を深部から動かす知的機関の腐食の方が深刻かもしれない。
権力の腐敗もさることながら、精神的知的腐食が国を根幹から揺るがす。