帰省先の祖父母の家のすぐそばで行方不明になった藤本理稀くん(2)を発見したボランティアの尾畠春夫さん(78)は、真っ赤なハチマキに独特の道具を背負った異様な姿だった。
しかし多勢の捜索隊が発見できなかった幼児を、森の中の沢でたちまち発見して母親のもとに連れ帰ったのだ。
被災地のボランティアとしても有名で、登山経験も豊か、山に道標を建てることもしていたというから、いわば「野生のプロ」だ。
制帽を被って隊列をなす捜索隊では感知できない微かな信号を頼りに行動するのだろう。独特の「文化」が、管理された「文明」を凌駕した感がある。
魚屋さんだったというから小さな生物に対する感覚もあるのかもしれない。
素晴らしい高齢者あり。
国民栄誉賞は有名人よりこういう人に出すべきだ。