「君たちはアメリカにこんなひどい目に遭わされて、怒らないのか」
アメリカの圧倒的な物力と闘ってきた英雄の心の叫びだろう。
僕もずっと思っていた。日本人はなぜアメリカを恨まないのだろうか。
最近、考えた。
日本人はアメリカと戦争したと思ってないんじゃないか。
じゃ、何と戦争したんだ。自らの「宿命」と戦争した。そう考えているのじゃないか。
だからアメリカを受け入れ、戦犯も首相に返り咲く。そこに恨みも、怒りも、ひょっとしたら歴史も、存在しない。宿命だけがある。
「散歩道 なきがらよけて 蝉時雨」
8月も終わろうとしている。