バークレイの東ヨーロッパから来た研究者たちは、チェスのクラブをつくっていた。
僕も仲間に入れてもらったが、若いころ将棋をやっていたので、すぐ強くなった。しかしこのころは囲碁が主な趣味で、いつも本を読んだり、ネットで対戦したりしていたので、彼らも興味を抱いて、教えてくれという。しかたなく、安い碁盤と碁石を手にいれて、教えることにした。
コンピューターの研究者は囲碁に興味をもつ人が多い。ロシアを始め東ヨーロッパはチェスが盛んだが、これからは囲碁が盛んになるような気がする。僕も一役買ったのだ。
バークレイの街にも碁会所はあって、よくかよった。ユダヤ人が運営していて、常連客もユダヤ人が多かった。
バークレイのあと、コロンビア大学に行ったので、ニューヨークの碁会所にもかよったが、こちらもユダヤ人が多く、あるニューヨーク大学の教授は囲碁のソフトを開発中だという。アメリカの囲碁ファンはユダヤ人が多い。日本の岩本プロが私財を投じてつくったところで、一時は韓国の人も多かったが、やがて韓国人がつくったところができて、そちらに移ったという。
それぞれの国と民族の事情が碁会所にも反映している。