築地市場における小池知事の説明に対して、業者の方から「行くか行かないかを自分たちに決めさせるのは酷だ。知事が決めてくれれば、自分たちは従うほかないのだ」という意見が出た。
そのとおりだと思った。
前に、沖縄の普天間移転に関して、農家のおばちゃんが「村が賛成と反対と二つに割れているのが辛い。どちらかに決めてほしい」と切に訴えていた。
民主主義とは、ある意味残酷な制度である。
重要な案件に決断を下すのは、社会的立場にある者の使命である。
戦後日本社会は、賛成派のいうことも聞き、反対派のいうことも聞き、その中間の結論を出すというようなことをやり続けて来た。世の中には、特に安全保障など、そうは行かない二者択一も多いのだ。社会的地位にある者が、その責任を回避するのは「卑怯」というものである。
リーダーは良い人であることも大事だが、決断できる人であることが重要だ。良い人であることと決断することとの葛藤に苦しまなくてはならない。その「苦悩」は「孤独」でなくてはならない。仲間たちと酒を酌み交わしながらワイワイやって決めるていのものではない。